私は、40代の男性です。ここ数年の間に、2回引っ越しをしました。1回目は県外から今住んでいる地域で、2回目は同じ地域内です。現在住んでいるのはオートロック式のマンションです。
その日は、妻は朝から仕事に出ていて私だけが在宅していました。インターホンが鳴ったので、モニターを見ながら「はい」と返事をすると、聞き取りにくいもごもごした声で名乗られ、私は宅配業者だと思い込み、あまり確認もせず、エントランスを解錠しました。部屋までやってきたのはNHKに業務委託されているという代理店の職員でした。まず、名刺を渡されて自己紹介されたのち、「NHKの受信料をお支払い頂けてないようなので今回訪問させて頂きました」と、用件を切り出してこられました。
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払っていても、住所変更手続きをしていないとNHKはやってくる
結婚前、県外で妻の借りた家に同棲していた数年前から、「NHKの受信料はずっと支払っている」と妻から聞いていた私はそのことを伝えました。すると何やらタブレットのような機器で検索しながら、「以前の住所はどこですか?」と聞かれたので、一つ前に住んでいた同じ地域のおおよその住所を教えました。
検索した結果見つからなかったようなので、受信料を支払っていた話を妻から聞いたのは、県外に住んでいた時のことだと伝えると、県外に住んでいた時の住所と妻の名前を教えて欲しいと言ってきました。グループでの巧妙な詐欺事件などが多発している昨今、名刺1枚渡されて、当たり前のように個人情報を教えて欲しいと言われたところで、信用することは出来ず、「とにかく、妻が管理している事なので妻に聞いてください。妻は仕事に出ています」と、伝えると、「奥様は何時にお戻りですか」と聞かれたので、「21時頃には帰ってきます」と伝えました。「では、20時頃にまたお伺いします」と言い、一旦帰って行きました。
夜になって仕事が終わった妻を迎えに行き、部屋に戻ると、昼間の代理店職員が、隣の家を訪問中でした。その後に我が家を訪ねて来るんだろうと思っていたのですが、なぜかそれ以降、代理店職員が直接訪ねて来ることはありませんでした。改めて妻にNHK受信料の事を聞いてみると、払い続けているが、住所変更をしていないという事でした。妻も仕事が忙しく、手が空いたら住所変更をすると言っていました。
のど自慢応募をきっかけに再び連絡がくるようになった
ところで、私は歌を歌うことが好きなので、ちょうどその頃『NHKのど自慢』に応募していたのですが、はがき抽選に受かり、予選会に出られる事になりました。その後、NHKから届いた封書の中を見て驚きました。
「この度はNHKのど自慢・予選会にお申込みいただきありがとうございました。NHKを支えるのは、皆様に公平にご負担いただいている放送受信料です。その財源でNHKのど自慢をはじめとする放送番組を制作しております。放送受信契約をお調べしたところ、ご契約を確認することができませんでした。受信料制度にご理解をいただき、放送受信契約書・住所変更届に必要事項を記入の上、〇月〇日までにご返送ください。なお、このたびご案内いたしました放送受信契約のお願いが、番組出演への選出に影響することはございません。」
おおむね、このような事が書かれていたのです。住所変更をしていないとは言うものの、NHKの受信料は払い続けているのに、のど自慢の予選会に受かった事と抱き合わせて受信契約を催促してくるあたり、いやらしさを感じていました。
それから数日後、見覚えのない電話番号から私の携帯電話に着信があったので出てみると、「こちらはNHKです。この度はNHKのど自慢の予選会出場おめでとうございます!それで、NHKの放送受信契約の確認がまだ出来ていないのですが・・・」という内容の電話でした。さすがに、あまりに執拗でいやらしいなと思いながら、妻に確認をしてみる旨を伝え電話を切りました。
NHKもいろいろ大変なんでしょうが、受信料支払いは少なくとも公平にはしてほしい
その後、妻は忙しい中、仕事中にNHKに電話で確認を取り、住所変更をしてくれました。NHKの方も仕事なので仕方ないのでしょうが、個人的には、今回の事で、悪質な取り立て屋のような印象を持ってしまいました。公平にとは書いてありましたが、まだまだ放送受信契約をしていない家庭も多くあり、不公平感を持ちながら受信料を払っている人達が納得できる運営の仕方を考えて頂きたいものです。